特別養護老人ホーム 相良清風園
静岡県相良町(現在、牧之原市)は駿河湾の海と山あいの茶畑に囲まれた、自然の美しい町です。相良清風園は、その相良の自然を海、光、風、緑のモチーフに置き換え、色彩計画や波形のバルコニー、相良凧の図案等、地域の独自性をデザインの中に生かすように設計しました。
この建物は居室が中庭を囲むような平面プランです。その中庭に面している廊下は連続した開口部により、明るく開放感があります。2、3階でも床と連続して見える屋上緑化を垣間見せることで、接地性も得られています。居室は単調な連続とならないように居室間にスリットや小さな棚を設け、かつ各々の壁紙の色を変えることで、居住するお年寄りが自分の部屋の認識と愛着が持てるように計画しました。
色彩計画は全体的にアースカラーを基調としており、外装では茶畑に囲まれたベンガラ色が映えています。内装は和調な質感でまとめ、親しみの持てる生活空間となるよう計画しました。施設のお風呂は一般浴槽、個別浴槽、機械浴槽の3種類あります。
自然環境に恵まれていることから、すべてのお風呂から建物周囲の緑をピクチャーウィンドウとして楽しめるように計画しました。